図表の編集:テキストボックスの活用

PDFファイルが画像形式で文字を書き出すことができないけれども表の一部だけを変更したいとき、またグラフやフローチャートの文字列に訳語を貼り付けたいときなどは、PDFファイルから必要な部分を画像としてWordにコピーして、その上に「テキストボックス」を貼り付けて編集することができます。

 

Acrobatのスナップショットツール(カメラのアイコン)を使い、PDFファイルから切り出したい範囲を選択して、Wordに切り出した部分を貼り付けます。

 

例えば、このような画像として切り出してWordに貼り付けたとしましょう。「グラフタイトル」の部分の上にテキストボックスを貼り付け、上書きすることにします。

Wordの「挿入」から「テキストボックス」を開き、「横書きテキストボックスの描画」」を選択します。

 

「グラフタイトル」を被うようにドラッグして、テキストボックスを作ります。デフォルトのテキストボックスは余白が大きく、小さなところに字を入れ込むことができません。余白を調節して、文字がたくさん入るようにしましょう。テキストボックスにカーソルを合わせて右クリックして、「図形の書式設定」をクリックします。

文書ファイルの右横に現れる「図形の書式設定」の3つのアイコン(バケツ、五角形、四角形)のうち、右端の四角形のアイコンを選びます。現れた画面でテキストボックスの余白を調節します。デフォルトの余白の寸法は左図の通りです。ここを全て0 mmにして、「テキストに合わせて図形のサイズを調節する」のチェックを外しておくと、小さなスペースに文字列を貼り付けるときに便利です。

 

バケツアイコンをクリックして、テキストボックスの塗りつぶしや、線を指定します。テキストボックスを白の「塗りつぶし」で「線なし」に指定して貼り付けると、こうなります。

こうして必要な箇所にテキストボックスを貼り付けて編集した後は、画像とテキストボックスをまとめて「グループ化」しましょう。そうすると、画像とテキストボックスの位置関係が固定されるため、テキストボックスがずれることがなくなります。

 

グループ化するには、Wordの「ホーム」タブの右端の「選択」(白矢印)アイコンをクリックして、「オブジェクトの選択」を選び…

グループ化したいアイテムを全て囲むように選択した後、右クリックして「グループ化」を選び、グループ化を実行します。グループ化したテキストボックスの文字列は編集できますが、テキストボックスの位置や大きさは変更できません。テキストボックスの位置や大きさを変更する必要が生じたときは「グループ解除」を行い、編集した後、また「グループ化」を行います。

PowerPointでも同じ要領でテキストボックスの調節ができます。PoworPointには「スポイト」ツールがあって(左図)、スポイトで「吸い取った」部分の色を文字やテキストボックスに使うことができるので、テキストボックスを背景に溶け込ませることができます。

 

Wordにはスポイトツールはないので、同色のテキストボックスを貼り付けたいときには、FE-Color Paletteなどのカラーピッカーを使いましょう。Wordの文字や図形などの色設定画面にある「その他の色」を開き、そこから「ユーザー設定」タブに入ってカラーピッカーで得たRGBなどの数値を入力すると、文字や図形の色がカラーピッカーで選んだ色に変わります。

 

上で説明した方法のほかにも、透明のテキストボックスを作って無地部分に文字列を乗せたり(テキストボックスの大きさを気にせず編集できます)、元の図形より大きな線つきのテキストボックスを作って貼りつけたり(例えばフローチャートの小さな領域を大きくすることで、より多くの文字を入力することができます)と様々な作戦が使えます。いろいろ工夫してみてください。